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人受精胚と人間の尊厳 - 診断と研究利用

人受精胚と人間の尊厳 - 診断と研究利用
  • 2017年7月刊行
  • 定価:本体3,800円+税
  • ISBN:978-4-905208-07-5
  • 出版社:リベルタス出版
  • 仕様:A5判 上製 192 頁

著者:盛永審一郎

監訳:

「受精卵と娘は大して変わらない」山中教授のこの新しい「思考の帽子」が 「ノーベル倫理学賞」とも評された「生理学・医学賞」へと導いた。なぜか?

NIPT が臨床試験として行われて以来3年。試験結果がコンソーシアムより報告された。結果の数値をどのように読むのか。出生前診断が選別に使用されたと捉えるのか、それとも 100% 中絶したわけではなかったことは、生命の尊厳が守られたと理解すべきことなのか。他方、iPS やES 細胞を用いての受精卵作成研究では、「人工受精胚」、「疑似胚」という新造語が登場し、「胚」との差別化が図られている。またワ―ノック委員会の「ヒト個体の開始は受精後 15 日」も当然のごとく、一人歩きしている。さらに生殖細胞へのゲノム編集も進められようとしている。人間の魂の生物化、単なる身体としての生命(ゾーエー)と、この世の相対 的な価値観が生み出す、「障害者は不幸しか作らない」という標語。「人間の尊厳」とは何かを問う。

著者略歴

盛永 審一郎(もりなが しんいちろう)
富山大学名誉教授。1948 年千葉市生まれ。東北大学大学院文学研究科博士課程中退。研究テーマは実存倫理学、応用倫理学。

 

〈主要業績〉
著書
『終末期医療を考えるために 検証: オランダの安楽死から』(丸善)
監修
『安楽死法:ベネルクス3 国の比較と資料』(東信堂)
共編著
『生殖医療』(丸善出版)
『看護学生のための医療倫理』(丸善出版)
『医学生のための生命倫理』(丸善出版)
『理系のための科学技術者倫理』(丸善出版)
『新版増補・生命倫理事典』(太陽出版)
『生殖医療と生命倫理』(太陽出版) 他
共訳書
クヴァンテ『ドイツ医療倫理学の最前線』(リベルタス出版)
『ハンス・ヨナス「回想記」』( 東信堂)
ヤスパース『真理について4』(理想社) 他