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カール・マルクスの哲学

カール・マルクスの哲学
  • 2019年1月刊行
  • 定価:本体3,500円+税
  • ISBN:978-4-905208-09-9
  • 出版社:リベルタス出版
  • 仕様:A5判 上製 184 頁

著者:ミヒャエル・クヴァンテ(Michael Quante)

監訳:

訳者:大河内泰樹/瀬川真吾/明石英人/菊地賢

「哲学者マルクス」の再生。現代ドイツ哲学最重要人物の一人であるミヒャエル・クヴァンテによるマルクス論。生誕200 年を記念して

本書は、現代ドイツを代表する哲学者の一人であるミヒャエル・クヴァンテのマルクス論である。ヘーゲル研究および生命倫理学、メタ倫理学研究で知 られ、すでに多くの著作が日本語に翻訳もされているクヴァンテだが、他方で彼は以前からマルクスにも強い関心を持ってきた。本書はそうした彼の初 めてのまとまったマルクス論集である。
本書の特徴は、あえてマルクスの思想を哲学から理解しようとする点にある。それに伴って、同時代のヘーゲル左派の論争、そしてなによりもヘーゲル との対決が当然取り上げられているが、それは同時に行為論を中心に現代の哲学的な問題にも関連づけられており、全く新しい哲学的マルクス像を提示 するものである。

著者略歴

Michael Quante(ミヒャエル・クヴァンテ)
1962年生まれ。ベルリン自由大学、ミュンスター大学で哲学を専攻。1992年にミュンスター大学で博士号取得、2001年に教授資格を取得。 デュイスブルク=エッセン大学教授、ケルン大学教授を経て、2009年からミュンスター大学教授。
ヘーゲルを中心としたドイツ観念論の研究のほか、生命医療倫理学の面でもドイツの研究をリードしている。

訳者略歴

大河内泰樹(おおこうち・たいじゅ)
一橋大学大学院社会学研究科・教授、専攻:哲学。Dr. der Philosophie (ボーフム・ルール大学哲学・教育学・マスコミュニケーション学部)。
著書に、Ontologie und Reflexionsbestimmungen. Zur Genealogie der Wesenslogik Hegels (Knigshausen und Neumann, 2008)、『個人的なことと政治的なことジェンダーとアイデンティティの力学』(共著・彩流社、2017年)、『マルクスの構想力 疎外論の射程』(共著、社会評論社、 2010年)、訳書に、マルクス・ガブリエル/スラヴォイ・ジジェク『神話・狂気・哄笑―ドイツ観念論の主体性』(共訳、堀之内出版、2015 年)など。

 

瀬川真吾(せがわ・しんご)
ミュンスター大学哲学科博士課程、専攻:生命倫理学。
共編著に、Der Begriff der Person in systematischer und historischer Perspektive (mentis, 2019)、論文に、「生命医療倫理学における人格概念の限界とその有用性」(日本生命倫理学会編『生命倫理29』2018年)、共訳書に、ディーター・ビルンバッハー 『生命倫理学―自然と利害関心の間』(法政大学出版局、2018年)など。

 

明石英人(あかし・ひでと)
駒澤大学経済学部・准教授、専攻:社会経済学。博士(社会学、一橋大学大学院社会学研究科)。
著書に『マルクスとエコロジー―資本主義批判としての物質代謝論―』(共著、堀之内出版、2016年)、共訳書にミヒャエル・ハインリッヒ『「資 本論」の新しい読み方―21世紀のマルクス入門―』(堀之内出版、2014年)、ケヴィン・B・アンダーソン『周縁のマルクス―ナショナリズム、 エスニシティおよび非西洋社会について―』(社会評論社、2015年)など。

 

菊地賢(きくち・さとる)
一橋大学大学院社会学研究科博士課程、専攻:初期マルクス。
論文に「マルクスのマックス・シュティルナー批判の意義について」(『唯物論』92号、2018年)