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新訳 実存哲学

新訳 実存哲学
  • 2021年10月刊行
  • 定価:本体3,800円+税
  • ISBN:978-4-905208-11-2
  • 出版社:リベルタス出版
  • 仕様:A5判 上製 168 頁

著者:カール・ヤスパース(Karl Jaspers)

監訳:

訳者:中山剛史

「本来的現実」への還帰をもくろむヤスパースの実存哲学の結晶!

本書は、ドイツの20世紀の哲学者カール・ヤスパースがナチズムの危機の時代に公的な場所で行った最後の連続講義に基づく著書『実存哲学』の新訳である。のちの大著『真理について』を先取りするものであり、後期ヤスパースの主要概念である「包括者」の問題、「真理」の問題、「現実」の問題が論じられている。とりわけ、自己が真の自己自身としての「実存」になるときに顕現する究極の現実である「本来的現実」にスポットライトが当てられている。
付録として、ヤスパースの視点からサルトルの実存主義に言及した小論「実存主義とは何か?」が収録されている

著者略歴

カール・ヤスパース(Karl Jaspers)
1883年 2月、ドイツ西北部のオルデンブルク市に生まれる
1913年 『精神病理学総論』出版、心理学の教授資格取得、はじめてキルケゴールを読む
1931年 『現代の精神的状況』と主著『哲学』出版
1933年 ナチス政権成立、以後、徐々に抑圧を受ける(37年に教授職を追われ、38年に出版を禁じられる―ユダヤ人の妻ゲルトルートとの離婚を拒否したため―)
1947年 『真理について』出版、バーゼル大学での招聘講義「哲学的信仰」(翌年出版―本訳書の「未来における哲学」と「哲学と宗教」を含む)
1949年 『歴史の根源と目標』出版、バーゼル放送で講演「哲学入門」
1958年 『原子爆弾と人類の将来』および講演論文集『哲学と世界』出版
1961年 バーゼル大学退職。W・ホッホケッペルと対談「哲学は終焉したか」(『根源的に問う』所収)
1967年 自伝的作品『運命と意志』(H・ザーナー編)出版
1969年 2月死去、対話会見集『根源的に問う』出版(H・ザーナー編)

訳者略歴

中山剛史(なかやま つよし)
1963年生。早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程満期退学
博士(文学)。
現在、玉川大学リベラルアーツ学部教授

主要著書

『ヤスパース 暗黙の倫理学―〈実存倫理〉から〈理性倫理〉へ』(晃洋書房)
『精神医学と哲学の出会い―脳と心の精神病理』(共編、玉川大学出版部)
『始まりのハイデガー』(共著、晃洋書房)
『脳科学と哲学の出会い―脳・生命・心』(共編、玉川大学出版部)
『哲学の歴史 第10巻 危機の時代の哲学』(共著、中央公論新社)
主要訳書
ヤスパース『哲学的信仰』(共訳、理想社)
R・ヴィッサー『責任―人間存在の証』(共訳、理想社)
A・ピーパー『倫理学入門』(共訳、文化書房博文社)