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イマヌエル・カント生誕300年、100数十年ぶりに第二版全集刊行開始

<KANT: GESAMMELTE SCHRIFTEN 2.AUFL.> (Walter De Gruyter)

 

<第 1 回配本>
Kant, Immanuel-Schriften 1747-1756.
(KANT SCHRIFTEN NEUEDITION Band.1, 2. AUFL.)
 ISBN:978-3-11-070648-2

 通常価格:¥58,703( €249.95)

 刊行日:2023年12月31日


<第 2 回配本>
Kant, Immanuel-Die Religion innerhalb der Grenzen der bloßen Vernunft | Die Metaphysik der Sitten
(KANT SCHRIFTEN NEUEDITION Band.6, 2. AUFL.)

 ISBN:978-3-11-070650-5

 通常価格:¥58,703(€249.95)

 刊行日:2024年11月14日

Der sechste Band enthält Die Religion innerhalb der Grenzen der bloßen Vernunft (hg.
von Heiko Puls) sowie die beiden Teile der Metaphysik der Sitten: Metaphysische
Anfangsgründe der Rechtslehre (hg. von Michael Wolff) und Metaphysische
Anfangsgründe der Tugendlehre (hg. von Dieter Schönecker).

 

 

 

 

イマヌエル・カントはドイツ観念論哲学の祖とされ、18世紀を代表する哲学者である。

ドイツ観念論とは、プラトン、アリストテレス哲学に次ぐ主要な哲学体系の一つであり、カントの認識論は「コペルニクス的転回」をもたらしたと言われている。『純粋理性批判』『実践理性批判』『判断力批判』の三批判書が主著であり、『永遠平和のために』(Zum ewigen Frieden, 1795)という、小著ながら、大きな影響をもった著作も著している。これは現在の国際連合の前身である国際連盟の設立にあたえた思想的影響のことであり、第一次世界大戦も終わった頃の 1918 年、アメリカの第 28 代大統領ウィルソンは「14 か条の平和原則」を発表。この「14 か条の平和原則」がカントの平和思想から大きな影響を受けているとされる。

「カント全集第 2 版」、新版は昨年末に刊行が開始された。編集方針は出版社 Website に解説されており、本書をもって第 1 部全体の編集方針とあるが、この全集の編集方針と理解しても問題がないように思われる。

ドイツ語著作の字体は中世ヨーロッパの時代からヒットラー政権、そして戦後間もない時代まで使用された「フラクトゥーア」(亀の子文字、通称、ひげ文字)から今日標準的なローマン体に変更。また本書序文にあるように、革新的なことであるがラテン語著作には各著作の編集者によるドイツ語訳があわせて収録されている。

また 1900 年にヴィルヘム・ディルタイの主導の下で刊行が開始された旧版は、これも 1 世紀以上にわたり事業が継続されたが、今回の新版では、いわゆる“Opus postumum“『遺稿』 にも大きな変更が施されている。1999 年に公開された新たな束を編集し、これまで不十分だとされていた 1936 年と 1938 年の旧版を補ったのである。

さらに主著である『純粋理性批判』はカント自身が 1787 年の第 2 版で 1781 年の第 1 版から変更した箇所は見開きページに活字を再現、一目で把握できるようにした。このスタイルの変更によって、旧版では第 3 巻・第 4 巻の二冊にわたって収録されていた『純粋理性批判』の両版が新版では第 3 巻一冊にまとめられた。

新 版 に は 旧 版 の ど こ に も ま だ 掲 載 さ れ て い な い “ Auszug aus der Allgemeine Naturgeschichte und Theorie des Himmels“『天界の一般自然史と理論からの抜粋』が収録され、またかねてより指摘されていたように多くの講義ノートの校正が未完成であったが、これも解消された。

カントの全著作、新版は共通のガイドラインに従い、原典に基づき再編集されている。原典の綴りや句読点は可能な限り踏襲されている。

多くの研究者の協力と資金援助を得ながらも、第 1 巻が漸く刊行された。数十年に亘ってこれからも継続的に刊行され続けられることを考えると、これほどの記念碑的、重要な出版事業は他にはないことは言を俟たない。

 

 

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